Hurra! Hurra! Hurra!

デンマーク、ドイツでの海外生活を経て感じた事を発信します。また自分の専門である障害者福祉に関連した発信もどんどんしていきます。

障害者の性にまつわる話~一筋縄ではいかないケースに出会った件

今日いつもの通ってる施設で、とある利用者さんについて聞いたケース。

女性の方で知的障がいがある方なのですが、しばらく前から誰かと性的関係を持つ事、および妊娠して出産する事に強い興味を抱いているという話を聞きました。

実際に支援者として関わる利用者さんの中で、誰かに恋愛感情を抱くというケースには割とよく遭遇していたのですが、性的関係を持つ事を希望する方に遭遇するのは初めてでした。

その方が毎日そんな事を口にしているというわけではありません。

ただ、以前からそのような事を度々口にしているため、少し注意して見守る必要がある、とのことでした。

 

更に同じグループ内には、ドイツの支援団体を通じて実際に性交渉を持った男性の方がいました。

自閉症をお持ちの方で本人だけで判断する事が困難な方だと思うのですが、ご家族が判断され、そういう結果に至ったとのことです。(その過程はさすがに詳しくは聞きませんでしたが、なんとなく想像できます。)

支援団体が斡旋したサービスを有料で受ける形のようです。

 

んで、上記の女性の方がそのサービスを受けられないのかと聞いてみたら、

女性向けのサービスが見つかりにくいようで、(妊娠させてしまうリスクがあるためかと思います)

加えてその方のご家庭の宗教上の理由で、ご家族はその件について話題にしたくない。当人がそのような性的衝動をお持ちである事を認めたがらないようです。

 

宗教が絡んでくると、なかなか難しいですね…

障害者のノーマライゼーションの問題は、まだ解決しやすいと思います。

大変ではあるけど、どんどん前例を作っていけば、そこに道ができていきます。

でも宗教の問題は、道をイメージして考えたら、行き止まりに突き当たって、地図を見ていたらその土地の歴史まで振り返って勉強して、その土地の地元の人と交渉しないとその行き止まりの通過を通過することができない、みたいな感覚だと私は思います。

 

 

障害者の性を巡って議論が為されてきたのはここ近年の話であると思います。

 

私が障害者を巡る性について初めて意識をしたのはこの本から。

セックスボランティア (新潮文庫)

セックスボランティア (新潮文庫)

 

 

読んだのは10年前ぐらい。

へー!こんな事している人達が世の中にいるんだ!というのがまず感じた印象でした。

日本で障害者や風俗の話題がいかにタブー視されているか、単体でも触れづらい問題なのにコンビネーションとなると、もう見ないフリー!っていう勢いの扱いだと思います。

本の中で出てくる人たちや団体の取り組みはすごく面白かったし、当事者の人たちのリアルな本音も伺い知ることができました。

 

しばらくしてからこの映画も見ました。

 

日本ではR-18指定になってるこの映画。

アメリカでの実話を基にされています。呼吸機能を損なってしまった全身性まひの人が鋼鉄のゆりかごと呼ばれている機械に入らないと生きていけなかった頃の話。

今は本当に技術が進歩して当事者の人の行動範囲は広くなったけど、技術が無かった昔は今に比べて本当に生きづらかったし、色んな事を諦めなければならない時代だったんだなと改めて思います。

確かにセックスシーンがおおっぴらになってるから、日本の基準だとR-18になってしまうのかもしれない。

だけど、私はこの作品から決していやらしさなんて感じなかった。

一人の男性が、困難を抱えながらも、周囲の人たちと心を通わせながら、自身の性の悩みを乗り越えて男性としての自信を取り戻す。

人の心だから、触れ合いを通じて望まなかった愛が発生してしまう。それに戸惑ったりもする。

セックスは人間にとって欠かせない素晴らしいものなんだなと思うし、同時に誰かを傷つけてしまうかもしれない、諸刃の剣のようなものかもしれない。

色々考えされられる作品でした。

障害者についてだけでなく、セックスそのものの純粋さについても考えされられます。

 

 

んで、私があの本を読んでから10年経ったけど、世の中は変わったのかな、と思って検索してみたら、

なんと!日本でそんな映画が公開されてたんですね!

しかもリリーフランキー!!私の大好きな!!リリーフランキー!!!

perfect-revolution.jp

 

リリーフランキーほんとすごいな。。。

しかも劇中歌が銀杏ボーイズのBABYBABY!!

 

BABY BABY

BABY BABY

  • provided courtesy of iTunes

 

 

これは是非見たい!つか、劇場で見たかった!!

日本にいなかったのが本当に悔やまれる。。。

 

www.nhk.or.jp

 

WHO・世界保健機関は、障害のある人たちの性の問題について、福祉の現場でも相談に応じることなどを推奨しています。またオランダでは、障害のある人が性的な介助を受ける場合に、地域によって保険の適用を受けることができます。ドイツでは20年以上前から、福祉の専門職の教育課程で、性の問題への対応を教えています。

 …クローズアップ現代HPより

 

へー!そうなんだ!素晴らしい!!

 

上記のクロ現の記事、映画を見ずとも是非読んでもらいたいです。

私が頷きまくる事だらけです。

 

冒頭で触れた女性の方が、セックスに興味や好奇心を持っている事について、

人間として、女の子として当たり前の事だよなぁと、自分自身の人生を振り返りながら思いました。

 

おそらく施設側もできれば力になってあげたいと思っているのだと私は思います。

上記の引用通り、ドイツでは障害者の性の問題の対応が進んでいるようだし、施設内に実際に障害者の性を支援する団体のサポートを受けたケースもあるので。

彼女の場合、家庭の事情と本人の希望を擦り合わせていく事が非常に困難であるのが問題なのだと私は理解しました。

 

 

こうして障害者の性についておおっぴらに語り合える環境が果たして日本でどれだけあるのだろうかと考えます。

クロ現のインタビューの中に、回答に戸惑っている、何をコメントしたらいいのか分からない、といった感じの回答も見られましたが、

リリーさんがおっしゃってる通り、自分ならどうしたいと思うかと考えてみるのが一番シンプルですよね。

別に実際にそういう介助をしろ、なんて誰も一言も言っていない。それはあなたの仕事ではなく、実際に性的なサービスをしてくれる方の仕事です。

そうじゃなくて、人間として当たり前に感じる恋愛感情、性的衝動が彼らにもあるんだというのを理解するだけでまずは十分だと思うんです。

 

ドイツやオランダなどでは障害者の性への対処のための社会的サポートができています。

日本はまだその土壌づくりがやっと始まったという段階だと思います。

 

もし興味を持ってもらえたら、ここで紹介した作品を見てもらったり、(ここからリンクに飛べって言ってるわけじゃないですよ!(笑))、

各々で調べてもらえたら嬉しいです。

日本社会が、そして私たちのマインドが、いかに、性を、障害者を、タブー視してきたかが浮かび上がってきます。逆にそのような話題に比較的オープンである西欧圏とも比較してもらえたら面白いかと思います

また、たとえばイスラム教や厳格なキリスト教宗派など宗教的観点から、性をタブー視する傾向もあるため、その辺りも考慮して考えると事情の複雑さがより理解できるかと思います。

 

色々考えされられました。

 

 

って、もうDVD化されるのか!早いな!!

パーフェクト・レボリューション [DVD]

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