難民コミュニティ訪問
ベルリン滞在もあと2ヶ月を切りました。
こっちに来てからやってみたいと思ってた事の一つに、難民支援の現在の状況をこの目で見ること、というのがありました。
ただ、ベルリンに来てから心の調子を崩してしまったためにあまり思い切ったができなくなってしまったり、
インターンシップやバイトもあったりで、難民支援への関心が薄れてきていました。
実際、ドイツの難民支援は一つのフェーズを超えたという印象も感じており(これに間違いはないと思います)、私がでしゃばる事ではないかなとすら思い始めていました。
が、最近になって色んなブログ記事を読み、
せっかくドイツにいるのにこのままではダメだと思い、行動を起こしてみる事にしました。
ネットでボランティア検索をして、
引っかかったものに応募しました。
以下覗いたウェブサイトの一部。
◆Vostel
◆GSBTB
すると次の日にお返事が!
すぐにアポを取り、行ってきました。
今回訪れたのはSpandawの難民支援センター。
私の家から1時間以上かかるとこでした…
遠い!と思ったけど、まぁ暇だし行ってみるかと思い、Ubahnとバスに揺られ到着。
入り口でセキュリティの人に声をかけ、事務局の人に連絡を取ってもらいました。
入場のために写真付きIDが必要との事で、やばい聞いてないよ持ってないよと焦ったのですが、事務局の人が迎えに来てくれたのでそのまま入場できました。
中に通してもらい、話を聞かせてもらうと、やはりドイツ語が不十分では難しいとの事、プラス2ヶ月だと短すぎるとの事。
やっぱりなーと思いつつ、メールの返事では「それでも大丈夫よ!」って言ってくれたから来たんだけどなーと複雑な気持ちに。とほほ。
せっかく来てもらったし、是非中を見ていってくださいという事で、コミュニティを見せていただく事に!
思いがけず、自分が一番望んでいた事が出来る事になりました。
元々ここの土地は工場の跡地を借りて使用しています。
中はだだっ広いスペースで、そこに仕切りを付けて生活スペースを確保していました。ちなみにプライバシー配慮のため、実際の彼らの生活スペースは見る事ができません。
かつて工場だった元々の殺風景な空間の中に、温かみのある色の壁を使ったりしており、その生活スペースからは明るい雰囲気を感じられました。
綺麗な布のカーテンがかかってるのもよく見られたのですが、カーテンは実際に居住している難民の人たちがワークショップで作成したものだそうです。
ここは生活スペース、ワークショップ、語学学校、公園、食堂などが揃っており、更に仕事斡旋や住居探しなど役所としての機能も果たす部署も揃っていました。
ドイツにやってきたものの行き場がない人たちが、ひとまずここに足を下ろし、ドイツで生活するに当たって必要な手続きをしたり、生活や仕事に必須のドイツ語を学んだり、仕事や実際住むアパートの斡旋をしてもらったりなど、自立するための準備期間をここで過ごす、という場所です。
実際こうして訪れるまで、難民支援ってもっと殺伐とした重い空気の中行われてるのかなってイメージ抱いていたのですが、全くそんなものは感じられず、
ただ人々の淡々とした暮らしや営みがそこにあり、人と人の間にある温かさが見られる瞬間がいくつもありました。
職員さん達、難民の人たち、皆揃って家族のような雰囲気でした。
結局お互いの条件が合わず、ここでボランティアをするには至りませんでしたが、実際に難民支援コミュニティを見せていただいて、大いに感じるものがありました。
大変なものに違いないと、先行するイメージで勝手にいろいろ決めつけていたり思い込んでいた自分が恥ずかしくなりました。
そこにあったのは希望でした。
ここまでやってくる道のりは壮絶だったかもしれない。
このセンターは2015年末からやっているとの事。ここまで来るまでに大変な事がいくつもあったかもしれない。
けれど、ここで見る事が出来た人々の在り方を見て、こうして難民支援を為しているドイツの未来は間違いなく明るい、と確信しました。
日本にはまだ難民受け入れの土壌ができていません。
行政に全くその気がないし、世論の関心もない。
色々課題はあると思うけど、難民受け入れはうまくやれば国に大きな豊かさをもたらすものだと私は今ポジティブに感じています。
だからこそ、もっと多くの人に関心を持ってほしい。
今日訪れたセンターの人曰く、
是非訪れて実際に見てもらいたいと言っていました。
好奇心でそんな事をするのは悪いことだと思ってずっとためらっていたのですが、見て知ってもらう事はすごく大切だしプライバシーの配慮はこちらがきちんと対応するのでためらう事なく是非訪れてほしいと仰っていました。
もし機会があれば、是非実際に起こっている事を、難民支援を行う事で私たちにもたらされる可能性について、是非考えてみてもらいたいです。
そして、日本も難民支援に関われるように、受け入れる側である私たち自身の理解を深めていけたらと思います。
私が刺激を受けた記事
「シリア難民問題は過去のことじゃない」渾身の力でドイツ難民支援プロジェクトのプロモーション映像を製作しました。難民問題はまさにイマ起きてることだから、日本でもまずは地域の難民のことから調べてできる取り組みをしてほしい。ドイツの難民問題の争点もまとめました。https://t.co/29U8hW2moS pic.twitter.com/M1vjDAiEsa
— Aki Youtuber@Germany (@akihiroyasui_) 2018年2月3日