パンチャカルマ5日目~安上がり寄り道紀行
前回の続き
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5日目
朝、物悲しい夢で目が覚める。
ソレンナちゃんはヨガ欠席。
バターミルクだけ飲むという生活が相当堪えているようで昨日も全然元気がなかった。
先生と1対1のヨガとなったのだけど、なんか今日はあまり良いエネルギーを感じられなかった。
悲しい夢のせいで目覚めが悪かったせいか、ソレンナちゃんの不在が影響したのか、それともたまたま虫の居所がよくなかったのか、細かい要因が重なった感じだ。
ちょっとドヨンとした気持ちで朝フルーツを食べる。
フルーツの皮を投げると蟻やハエがすぐに寄ってきて果肉や汁を喰らっている。
それをぼんやり見ながら、これまでインドで見かけてきた色んな光景が頭をよぎった。
フルーツの皮だってそうだし、昨日わたしの部屋で死んでた虫もそうだ。他の虫がすぐに寄ってきて餌として取り込もうとする。
フルーツの皮も虫もそうやって食べられて、残骸は腐って土に還っていくんだなぁと考えてると、結局全ての命がそうなんだなぁと気付いた。
生い茂った森や肥沃な土の中では、生き物はその命を失った瞬間に大地の一部としてあっという間に飲み込まれる。
道端で死んでる生き物だって、すぐにその餌食になる。そして路上で行き倒れる人間だって、例外なくその一部だ。こんなインドの森で人間が死んだら、他の生き物に食べられて腐って土に還るに違いないだろう。
日本やヨーロッパで暮らしていたら行き倒れた人間がそのまま自然に取り込まれるなんてこと全く思いもしなかった。けど、ここはインド。人が行き倒れる事はおそらくそれほど珍しい事ではない。そして自然のエネルギーがものすごい。ぼーっとしていたら、あっという間にやられてしまう、そんな感覚を覚えるようになった。
私たちは現代社会であまりに守られ過ぎているのかもしれない。
死がドライなものになって有機性が完全に失われている。
そう思うと、死は生命全体に恵みをもたらすものだったのだと気付く。葉っぱだって枯れ葉になって落ちたら、そのまま腐って良い土になっていくものだから。
結局人も自然の営みの一部に過ぎないはずなんだけどなぁ。
今日は雨がたくさん降った。雨を眺めてボーっとするのは本当に久しぶり。
ヨーロッパではこんなにザーザーと雨が降る事が少なかったし、なぜだかこうやってぼんやりと雨を眺める気にならなかった。雨が降るとだいたいどんよりとしてしまうから。
インドで雨を眺めていたら、自分がアジアに帰って来たんだなぁとしみじみ思った。
これはアジアの雨の降り方だよなぁとなんとなく思い、雨の日にのんびりするのが好きなのを思い出した。自分を取り戻した感覚がした。
今日のトリートメントはシロダーラ!初体験!これぞTHEアーユルヴェーダって感じ!
仰向けに木の台に寝転び、装置を使って温めた薬草オイルを額の上にトロトロ流す。
額にトロトロとオイルが流れてくる感触が気持ちよくて、頭がほわーっと包まれるような、浄化されるような心地よさ。
髪の毛は相当ギトギトになった。ちょっとやそっとのシャンプーじゃ太刀打ち不可。
三回ぐらい洗ってようやくそこそこ泡が立った。
昼食。
お世話してくれてるおっちゃんにガッツリお皿に盛られて焦る。
おっちゃんの適当なゆるさがなんとなく憎めず、かわいげを感じてしまう。
この国ではマメできっちりした性格ならそれなりの仕事につけるのかもしれないなーと思ったけど、いやいやカースト制の名残がバッチリ残ってるし男尊女卑でもあるからそう簡単にはいかないなーと思い直した。
食後、ダラダラしながら久しぶりにyoutubeを見る。うむ、やっぱり面白いなぁ。
午後のトリートメント。肩のマッサージ。
色々考え事を昨日の夜にしていたせいか、いつもより固い。
一日を終え、寝る前にシャワーを浴びる。
当然お湯は出ないので水シャワーなんだけど(すっかり慣れた)、今日はずっと雨だったせいかシャワーが冷たいような気がする。
身体が冷えたのでシルクレギンスを履き、シャツを羽織って寝た。気分がやけにどんより。
暗くしていると自然と眠くなった。
夜分に来客あり
ああ、やっぱり虫が怖い
続く